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最高裁判所第二小法廷 昭和31年(オ)454号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

本訴は、被上告人が、同人所有の家屋につき、家屋台帳上の共有名義人である上告人ほか一審共同被告四名を相手方として提起した所有権確認の訴であることは記録上明らかであつて、被上告人の上告人等に対する各請求はそれぞれ独立し、其の間「訴訟ノ目的カ共同訴訟人ノ全員ニ付合一ニノミ確定スヘキ」法律上の必要の存する場合というを得ないから、いわゆる必要的共同訴訟に属しないことは明らかである。

されば、一審判決に対し控訴を申立てなかつた一審共同被告今泉源吾、同光安直行及び二審に至つて控訴を取下げた同島崎進、島崎守を除き、上告人のみに対して判決をなした原審の措置は正当であり、所論の違法は存しない。それ故所論は採るを得ない。

同第二点について

原判決の引用する一審判決挙示の証拠によれば、本件家屋が建築当初より被上告人の所有に属していた旨の同判決の認定はこれを首肯することができる。所論はひつきよう原判示に副わない事実に基ずいて、原判決の事実認定を非難するものでしかなく、上告適法の理由となすを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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